2019年7月30日火曜日
「夢と現実の狭間で、冷静と情熱の間で」 3年 住永翔
「夢と現実の狭間で、冷静と情熱の間で」
3年 住永翔
毎日、世田谷区の八幡山には夢に向かってただボールを追っかけている大学生がいる。
だいたい朝5時、枕の横で一緒に寝ている携帯が先に起きて僕たち人間を音とバイブレーションという行為で起こしてくれる。シャワーを浴びて眠い目をこすりながらトレーニングルームに向かう。体重を量り、そのままの勢いで黒綿棒で耳を掃除する。自分に合ったMUSICを聞きながらストレッチポールで太ももと尻をほぐして、まだ朝日が出だしたばかりのグランドに夢の種を植え付けに足を入れる。
グランドに入ると一人一人の目つきが変わっている。毎日のトレーニングが上に上がるチャンスでもあり下に落ちるピンチでもあるからだ。そこには学年の差は全く関係なく、権力でサッカーをする者はいないし誰もさせない。下の学年の選手にはもっと欲を出して欲しいものだが。
この組織でほぼ365日共にいると、だいたいの人の考えていることや、特徴、性格、気持ちのブレ、調子の良さなどは、表情や姿勢、行動や言動などでほとんどわかるようになる。このちょっとしたことに気を配れるようになるとプレーにも気を配れると自負している。全てにおいてサッカーと繋がっている。
ミーティングではお互いの価値観や考え方を共有し、理解し、混ぜ合わせ、落とし込む。自分の意見をしっかりと持っている人がほとんどだが、その意見を口に出せないのが下級生の課題か。あるいは意見を言うことができないような環境を作ってしまっているのであれば上級生の課題だろうか。
一人一人大きな夢や目標を持っている。大抵の人がプロサッカー選手になりたいと思っているだろう。その夢と日頃の練習、試合、私生活など、自分が想像や描いている未来と現実のギャップにいつも考えさせられる。このままで本当に良いのだろうかと。
ポジティブに上だけを見て自分と向き合えるこんな最高な環境があるのにも関わらず、わざわざ下ばかり見ている暇はない。同じポジションの4年生がプロに内定するのを横目に見ながら、後輩として先輩がプロに内定した喜びと、益々本当のポジション争いができるという喜びを胸に、自分もそこの舞台に足を踏み入れる為の準備をする。
冷静と情熱の間をうまく自分自身でコントロールし、リミットある1日を満たしていく。23:00に二段ベッドの上で今日という1日を振り返り、チーム、個人が躍動し、勝利し続け優勝する夢を見に瞳を閉じる。そして、自分たちの手で現実にする。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【過去の記事】
「心技体」 1年 住永 翔
「大学生というもの」 2年 住永 翔
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