2019年11月12日火曜日

「大航海」 4年 佐藤亮





「大航海」
4年 主将 佐藤亮 (FC東京U-18)




明治大学体育会サッカー部主将の佐藤亮です。
今年2度目の部員ブログ、素直な気持ちを綴りました。是非ご一読下さい。



僕らはいつだって一緒に戦ってきた。
明治大学体育会サッカー部の船はそろそろ僕たち4年生を港に下ろそうとしている。
「大海原への出航だ」
今シーズンが始まる時、監督がそう言った。
天気の良い穏やかな日もあるだろう。
激しい雷雨で船が呑み込まれそうになる時だって。
それでもみんなで進んでいくんだ。
そう言って僕たちは出航した。


天皇杯
アミノバイタルカップ
総理大臣杯
関東大学サッカーリーグ
アイリーグ
新人戦
インカレ
どんな時も一緒に戦ってここまでやってきた、そう思ってる。
勝ち続けて喜びに浸る時、負けてひどく落ち込む時、上手くいかずに悩める時、どんな時も。
優勝したらみんなで喜ぶ。当たり前だ。
いや、当たり前じゃないのかもしれない。
なぜなら大学サッカーは本気でサッカーをする人だけがやってくる場所だと思っているから。きっと、そうでない人は大学でまでサッカーをしようとは思わないだろうし。
つまり、それなりの自信やプライドを持って乗り込んできた選手の集まるところ。
自分が試合に絡まなければきっとその感情は薄くなる。みんなサッカーをしたくて入ってきたから。こんなはずじゃない。応援するために来たんじゃない。そう思うのがほとんどではないだろうか。
それでも僕たちはその気持ちをグッとこらえながら、チームの船の中で与えられた役割を全うしようとする。トップ、セカンド、リハビリ、上級生、下級生、一般生、マネージャー、自分が求めたわけではない色々なレッテルもある中で。
そうしてここまで僕たちの船は転覆することなく、この大海原で「明治大学」いう帆を掲げながら堂々と突き進んでいるんだ。
この船で世間から脚光を浴びるのは、もしかすると、いわゆるトップチームと言われる選手たちかもしれない。試合に出ている選手たち。
でも、それでも、船を動かし続けてくれるのは、船の中で地道に自分のやることを全うしてくれているその他の選手たちがいるから。
これだけは間違いない。
つまり、目立つ場所で仕事をするも船内の機械室で舵取りをするも、これら全てで僕らだ。
試合のピッチで走る、蹴る、守る、試合後のインタビュー、取材、記事に掲載される一言一句、それら全てが僕らだ。明治大学体育会サッカー部だ。選手個人のプレーでも意見でも感想でもない。これまで全部員で積み重ねてきた、経験や知識、歓喜や苦悩の代弁者である。


先日、僕たちはアイリーグチャンピオンシップを経験した。普段、応援にまわる選手たちがピッチで躍動した。結果こそついてこなかったが、あそこに明治の全てが詰まっていた気がする。悔しさ、もどかしさ、そういったものをピッチで表現する選手と普段試合に出る選手たちがそれを全力で応援する姿、親御さんたち。4年間もがき続けた同期の姿。
正直、感動した。勝敗よりももっと大事ななにかがそこにはあって、それを肌で感じた。

この船に乗って良かったな。
負けるって悔しい、心から応援するって素晴らしい、一体感ってこれか。そう思えた。
こうやって僕たちの船は何十年の歴史を受け継ぎながら大きく大きく、たくましくなっていく。
先輩たちもきっとこれを経験してきたんだな。
もっと早く、気づけたら良かったのかもしれない。だとしたら、後輩にはもっと早く伝えないと。大丈夫、今年はまだまだ終わらない。
最後、4年生として後輩に経験させてあげるものはなんだって最高にしたい。
今年が終わる時、悔しいと感じる1年でも、充実したと思える1年でもなんでもいい。そこから感じるものは自由でいい。
だからこそ、今この瞬間を大事にしてほしい。
未来に起きるその瞬間は、今が繋がって起きるから。偶然だって奇跡だって、その瞬間だけ見たらそう思うかもしれない。でもそれは、自分が作り上げてきた一瞬一瞬がそうさせているだけだ。
良いことも悪いことも、嬉しいことも辛いことも全ては過去から現在、そして未来へと繋がっている。
未来の歓喜を掴むための材料はあちこちに転がっていて、それを拾ってくれるのを待っている。逆もまた然り。
たとえ、いつまでも自分の望む結果が得られなかったとしても、評価されなくても、その原因は自分にしかない。他人にはない。そして、満場一致なんてサッカーの世界にはきっとない。世界のスーパースターだって世間からの意見は割れる。メッシやCロナウドだって、絶対はない。だったら僕らにだってないんじゃないか。でも彼らは結果を出し続ける。
そう、僕らもやり続けるしかない。自分が自分に一番厳しく、今日5人の評価を受けたら明日は10人だ。
手を抜くことなく、誰が見ていなくたって、そこにきっかけは転がっているから。
未来の歓喜を掴むためなら今の立ち位置なんて絶対に関係ない。
怪我をしていたって、試合に出られなくたって、やり続けた人にしか見えない、得られない歓喜が待っている。
僕はこの4年間で全てを経験させてもらった。
開幕デビュー、選抜、トップチーム、セカンドチーム、応援、怪我、病気、手術、色々な歓喜や苦悩の連続だった。
辛くて泣いた日もあれば、嬉しくて道で口笛を吹いた日もある。
それら全てに、それぞれのきっかけが落ちていた。気づきや学びといったきっかけが。
だから、今みんなが置かれている立場全てに共感ができる。寄り添える。
そして言える。絶対に大丈夫。
悔しいと思えたら、次こそと思って行動すればいい。
嬉しいと思えたら、またそう思えるように続ければいい。
そこから失敗や挫折が得られて、どうすればいいかと悩み、考える。そして気付く。よし、行動だ。
人生はこれの連続でしかない。
未来は、色々な形でそれを祝福するプレゼントを用意してくれているに違いない。
それがプロサッカー選手じゃなかったとしても、気づけば大きな何かを得られているはずだ。
地道にコツコツと。
どんな時でも指先は自分に。
もがくことを、苦しむことを、悩むことを恐れずに挑戦していこう。
未来に待つ歓喜を掴むために。
その瞬間のために、最後の最後まで全力で。
さあ、ラストスパート。
挑み、越えていこう。
『挑越』

長くなってしまいましたが、ご拝読ありがとうございました。
日頃から明治大学体育会サッカー部に関わる全ての皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
そして、明治大学体育会サッカー部の今シーズンラストを、そして今後に注目して頂けたら幸いです。



【過去の記事】
「全ての人への感謝と恩返し」 1年 佐藤亮
「使命ある選択」 2年 佐藤亮
「希望の光」 3年 佐藤亮
「楽しもうや」 4年 佐藤亮

2019年11月8日金曜日

「よー、そこの若いの」 4年 芹澤徹郎





「よー、そこの若いの」
4年 芹澤徹郎(鎌倉高校出身)


こんにちは。
4年の選手兼主務を務める芹澤です。
大学生活最後の部員ブログとなりますので、是非最後まで読んで頂ければ幸いです。

皆さん、突然ですがタイトルにあるこの曲(『よー、そこの若いの』)をご存知でしょうか。

俳優の瑛太さん出演のある保険会社のCMに使われている曲で、テレビを見る方ならおそらく聴いたことのない人はいないのかなと思います。

この曲は竹原ピストルさんが自身で作詞作曲を手掛け、頑張っている人、頑張った人に宛てた曲です。
これから書かせて頂いた本題を文章にしようと思ったキッカケとなった曲です。

ブログの最後に全歌詞を載せたかったのですが、著作権の関係上載せられなかったので気になる方はネット等で調べてみて下さい。
※歌詞のURLはこちらになりますので是非見てください。
曲の紹介はここまでにして、本題に入ります。

4年という立場、シーズン終盤に差し掛かった今、ふと「今年のチームは良いチームなのか、良い組織とは何かを後輩に伝えられているのだろうか」と思うことがあります。
何故そんなことを強く思うのか、理由は簡単で、「例年以上の成果をあげているから」に尽きます。
高校サッカーや大学サッカーで成果をあげた次の年に成績不振になることは珍しいことではありません。むしろそうなるケースが多いと思います。これは「結果が良い」が「思考を停止させる」からではないでしょうか。

例年以上に成果をあげた年は例年以上の結果に至る過程の吟味、中身のあるコミュニケーションが必要なのだと思うと同時にそれを実行するのが4年生の責任だと感じています。

毎年人が入れ替わる大学サッカー。人間形成に重きを置く大学サッカー。
大学サッカーの今後には俗に言う古い体育会体質ではなく下級生の突き抜けるオリジナリティを促し、それでいて組織の一体感を生む上級生、指導者の大きな器が必要不可欠です。そして、その年の4年生の試行錯誤を下級生に事細かに伝えていくことが重要だと思います。

さて、ここまで偉そうに書かせて頂きましたが、上述させて頂いたように今現在、良いチームなのか、しっかり下級生に伝えられているのかどうかは未だに分かっていません。それが分かるのは来年かもしれないしそのまた次の年かもしれません。いつか良い方向で実感できる日が来ればいいなと思っています。

私はこの明治大学体育会サッカー部で何かを成し遂げたり、この上ない達成感を感じたりというよりも悔しさや不甲斐なさを感じる事の方が圧倒的に多かったです。
そんな自分だからできること、サッカーも、それ以外も。
当たり前のことですが、最後に残るインカレまで全力を尽くします。

私自身、まだまだ未熟者の『若いの』ですがこの記事から読んで頂いた方に何かしらが伝わっていたら嬉しいです。曲も聴いて頂けたら尚嬉しいです。

次の部員ブログ[11/12(火)更新]は今年度2回目にして今シーズンラストの主将・佐藤亮になります。
個人的に多くの方々に読んで頂きたいと思っています!

最後になりましたが、たくさんの失敗を重ねながら成長する明治大学体育会サッカー部をこれからも応援宜しくお願いします!

【過去の記事】
「1年間を振り返って」 1年 芹澤徹郎
「小池家」 2年 芹澤徹郎
「何の為に」 3年 芹澤徹郎

2019年11月5日火曜日

「進化の日々」1年 高橋祥太郞




「進化の日々」

1年       髙橋祥太郎 (中京大中京高校)

こんにちは。
今回部員ブログを担当させていただきます。経営学部一年の髙橋祥太郎です。

明治大学体育会サッカー部に入部が決まってから約4ヶ月が経ちました。この明治大学体育会サッカー部に入部してからの日々は、毎日が気づきの連続であっという間でした。

まず、親元を離れ一人暮らしとなったことで、高校の時とは違い自分でやることが圧倒的に増えました。食事や洗濯といった家事全般に金銭の管理です。今まで当たり前だったことがなくなり、自分がいかに助けられていたのかを知りました。そして、それらに報いるために自分はさらに頑張ろうと思えるようになりました。

次に意識の変化です。明治大学体育会サッカー部にきて、私は意識することの重要性に気づきました。例えば、同じ結果になったとしてもその過程に意識的行動があるのとないのとでは、全く異なった評価になります。過程が意識的な行動であれば仮に結果が失敗出会ったとしても行動を変え、再度チャレンジすることができます。しかし、考えて行動していなければ次に何を変えていいのかもわかりません。これは日々の生活でもサッカーでも変わりません。なので、明治大学体育会サッカー部では失敗を怒られることはほとんどありません。代わりにチャレンジの質を求められます。同じことは許されないのです。だから、毎日何度も失敗を繰り返しながら全員が進化を求めています。ただ、こんな環境は滅多にないと思います。常にサッカーと、自分と向き合える環境、進化を求め続ける仲間、この二つがあってこそのものだと私は思います。
現状私は公式戦に絡めていません。この進化し続ける環境の中で周りを追い越すのは簡単なことではないと思います。それでも細かい、細かいところの意識を続けることが、自分がチームの進化の先頭に立つことの第一歩だと信じてこれからも活動していきたいと思います。

まとまりのない文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

2019年11月1日金曜日

「当たり前の裏に」 3年 力安祥伍





「当たり前の裏に」
3年 力安祥伍 (サンフレッチェ広島ユース出身)



今回部員ブログを担当させていただきます。文学部文学科演劇学専攻3年の力安祥伍です。

明治大学に入り早3年が経とうとしている。この時期になり、自分の将来のことについて考えることが多くなった。それについて話したいと思う。

私は毎日当たり前のようにサッカーをして、学校に通い生活してきた。だが、この当たり前の日常は他の人にとっては当たり前ではないかもしれない。サッカーがしたくてもできない人、ご飯を食べたくても食べられない人、明治大学サッカー部に入りたいけど入れない人。そう、当たり前に過ごしてきた日々は本当は当たり前ではない。

明治大学体育会サッカー部でも同じことが言える。サッカーは11人が試合に出る。現在サッカー部は59人いるが、その11人以外の選手の48人はサブだったり、バックアップだったり、応援だったり、運営だったりとみんな悔しい気持ちを押し殺し、それぞれがその立場で当たり前のように取り組める。これも当たり前のようで当たり前ではない。

当たり前に生活できていることの裏には必ず犠牲がある。誰かの犠牲の上に当たり前に生活できている自分がいる。だからこそサッカーができる当たり前の環境に感謝して、1日1日を踏みしめていきたいと思う。大好きなサッカーを本気で取り組める期間も、早ければあと1年ちょっとかもしれない。今やれるべきことをやり悔いのないようにするためにも、サッカーと向き合い、全力を尽くしたいと思う。

残すシーズンも後2ヶ月。大好きな4年生と当たり前にサッカーができる期間も少なくなってしまった。もう一度このメンバーで日本一の景色を見るためにも、チームのためやるべきことをしてチームを勝たせられる選手になりたい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。これからも明治大学サッカー部の応援をよろしくお願いします。



【過去の記事】
「私の歩み」 1年 力安祥伍
「人生の分かれ道」 2年 力安祥伍